粗大ゴミのこれからの目標
1997年4月26日、「容器包装リサイクル法」の施行とほぼ時を同じくして市民自らが、循環型経済社会の実現をめざし、その一手段として、ごみ減量のための公正で効果的なシステムとしてデポジット制度に着目し、その法制化をめざすことを活動目的としたネットワーク(通称デポネット)を作りました。このネットーワークのとあるアンケートで議員の方に「デポジット法検討プロジェクトチーム」(仮称)に参加する考えがあるかどうかを聞いたところ、「プロジェクトチームに参加する」との回答がありました。
衆議院議員から61名、参議院議員から32名(新選出参議院議員から19名)の多くの議員から、「プロジェクトチームへの参加を検討する」との回答を受け取りました。
このアンケートによって、多くの国会議員がデポジット法が必要であると考えており、法制化に向けて検討するとの考えであることがわかりました。国会議員との懇談会このアンケートの結果をふまえて、1998年12月、デポネットでは第1回の国会議員との懇談会を開催しました。
この懇談会には自民党、民主党、公明党、共産党などほぼすべての会派から、国会議員本人11名(衆議院議員7名、参議院議員4名)、代理出席12名の出席がありました。集まった国会議員からは、「実際に立法化作業をすすめ、条文化した方が問題点がはっきりする」「行政の実情について省庁からヒアリングをすべきだ」「地方議会の意見書を1000以上集めれば国会で反対は出ない」 など多くの貴重な意見が出されました。
その後、デポジット法実現に向けて、国会議員との会合をさらに重ねています。自治体が意見書を続々と採択ごみ問題は、地方自治体にとって最も深刻な問題です。
これまでに多くの自治体の議会が、政府に対し、デポジット法の制定を求める意見書を採択しています。自治体の中には、デポネットの発足前すでに意見書を採択したところもありますが、デポネットの会員を中心に自治体の議員への陳情や働きかけを行った結果、多くの自治体が意見書を続々と採択しています。
まず都道府県では、1997年3月に東京都が意見書を決議しましたが、それ以外では、秋田県、栃木県、福岡県、熊本県、高知県などで決議がされています。市町村では東京都多摩市、千葉県千葉市、柏市、佐倉市、埼玉県和光市、神奈川県川崎市、静岡県三島市、三重県伊勢市、大阪府和泉市などすでに250以上の地方議会で意見書が決議されています(巻末資料参照)。
最近では、福岡県の遠賀川流域の散乱ごみがあまりにひどいことから、デポネットの会員が流域の市町村議会に働きかけた結果、福岡県議会はもちろん、福岡県内の97市町村のうち実に92市町村議会でデポジット法制定の意見書が採択されました。これからも次々とデポジット法制定の意見書が決議され、国会議員との懇談会で出たように1000を超すまでになるよう、これからも働きかけを進めていきます。
循環型社会法制定の動きと市民案の作成99年11月に与党の自自公が循環型社会構築のための基本法制定プロジェクトチームをつくり、12月には法案の骨子をまとめました。あわせて政府も廃棄物を包括した基本法制定の作業を開始し、2000年の通常国会で「循環型社会基本法」が制定される予定ということです。
循環型経済社会に転換していくための法律ができることは大変歓迎すべきことですが、問題はその中身です。まずこの基本法には拡大生産者責任(生産者は製品の設計段階から使用済み製品の回収、処理までそのライフサイクルすべてに責任をもっという原則)をはっきりと明記する必要があります。
これまでのように回収、処理を自治体まかせでは資源の循環は効率よく進みません。またリユースを促進するためにはデポジット制度の導入が不可欠ですから、デポジット法を制定することを基本法に規定する必要があります。
デポネットでは、これまで個別法としてのデポジット法を目指してきましたが、循環型社会法が制定されるのであれば、デポジット法をこの基本法に組み込むようにという要請をしています。ところでこの循環型社会法は、これからの経済社会のあり方を基本的に転換しようといういわば生活版の憲法です。
真の循環型経済社会をつくりあげるためには単に廃棄物をリサイクルの問題ではなく、エネルギーや有害物質の管理なども含んだ法律が必要です。デポネットでは他のNPOとも協力して、循環型経済法市民案を作っています。
まだこれからさらに多くのNPOの意見を集約して内容を吟昧していきます。現在の案は次のようなものですが、内容についてはぜひデポネットのホームページを検索して下さい。
いずれにせよ循環型経済法は、国民すべてが関心をもってじっくりその内容を議論した上で制定すべきものです。わずか数カ月で成立させるようなものではありません。
デポジット法や循環経済法について、さまざまな形で国民的な議論を盛り上げていきましょう。循環型経済法は、大量生産、大量消費、大量廃棄社会(使い捨て社会)から、資源を節約する経済活動によって、地球環境を損なわない持続可能な社会へ転換することを目的とする。
この目的を達成するためには、次の4つの条件が不可欠です(前文または条文で明記します)。
1.限りある資源を節約し、有効に活用すること。
2.自然生態系の循環と生物の多様性を低下させないこと。
3.資源エネルギーの利用、製品の製造・販売・使用・廃棄処分における有害物質の身体・環境への放出の回避。
4.環境や資源利用における地球規模の地域問、世代聞の公平性。
回事業者の責任1ごみの発生回避・再使用・再資源化を考慮した設計・製造・販売2使用済み製品の引き取り、再利用・再資源化・適正処理3再生資源の優先使用4使用済み製品の再使用・再資源化・廃棄処分に関する情報開示5有害物質の使用回避と、生産から廃棄までの全過程における有害物質の放出防止と適正処理5製品にかかわる有害物質に関する情報開示7ゼロエミッションの推進3国外での事業活動における資源循環の推進図行政の責任1財政、税制における省資源、資源循環のための政策の実現2循環経済を実現するための地方分権の実現3官公庁が率先して資源節約、ごみの発生回避・再使用・再資源化を進めるための法制度の整備4必要な統計の実施と公開5政策決定への市民参加の仕組み作りと情報公開の推進6公正な監査制度の実現7資源循環を促進するための国際協力固消費者の責任1省資源・省エネのライフスタイルの実行グリーン・コンシューマー(環境を考えた消費者)であるよう心がけること3ごみの分別排出4政策決定への参加議会におかれましては、日頃住民のためご尽力されていることに心より敬怠を表します。
近年、ダイオキシン問題、処分場問題など、ごみ問題はますます深刻化しています。道路、河川、公園などにはペットボトル、缶、発泡スチロールなど空容器が散乱し、山奥まで多くの廃家電や廃棄用車が不法投棄されています。
このような現実の中で、自治体のごみ処理予算は年々増加し止まる気配がありません。平成9年4月から施行された容器包装リサイクル法も、事業者の負担に比べて市町村の負担が大きいごみ減量の効果はほとんど期待できません。
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